きらく市入口には、水見色産のカシ炭が置かれています。
先日こちらの炭の出荷者の方が、店頭まで在庫状況を確認しにいらっしゃいました。
カシ炭はかたくて長持ちする。
カシ炭で焼いたものは味が違う。
まきの風呂はほとほとしてあったまる。
出荷されている炭の特徴をお話ししてくださったあと、炭についていくつか質問をさせてもらうと、炭にまつわる物語をお話ししてくださいました。
何より気になって質問させていただいた点は、「炭を自身で作っているのか」ということでした。
すると答えは「おじいちゃんが生前、作りためていた炭を出荷しています」とのこと。
いらしてくださった出荷者の方は、水見色にお嫁に来られていた方だったのですが、炭はその方の義理のお父さんが生前に作られたものだったのです。
そのおじいさんは炭焼きの名人で、次郎柿のさし木の名人でもあったそうです。
自身で炭焼き窯作りの講座に出て窯を作り、新聞に掲載されたこともあったそうです。
何かが壊れたりすると直してくれる。
コツコツコツコツと物事に取り組む。
自分は損しても人がよかったらいい。
長生きをされたおじいさんを、いろいろな言葉で描写してくれました。
おじいさんが生きているときにカシ炭を作れるだけ作り、現在はその炭を出荷してくださっているということでした。
お話しを聞いているときに「おじいちゃんから人間美を学んだ」という言葉があり、その言葉がとても印象に残っています。
商品そのものを見るだけでは分からない、物語がそこにはありました。
お店にいらっしゃる機会がございましたら、ぜひ店頭入口の炭もご覧になってください。